『防音・音響』 と『人に優しい住まい造り』

コラム

画像の説明

Vol.3

 自分でやれる、プチ防音工事 (第5回目 定在波編)

今回のお話は、定在波(定常波)です。

定在波って?  あまり聞いたことが無いと思われる方も多いと思いますが、ある空間の寸法に依る共鳴音のことです。
共鳴は、何処でも必ず起こります。

只、その中でも比較的(可聴)低音域で疎らに縦横高さ方向の複数共鳴音が重なり合う時、それ等の音のみが強調され聴取音に大きく影響します。
これを防止する方法は、基本的に部屋の3次元方向の寸法比に因らなければなりません。

これ等は、計算又は推奨寸法比表に因ります。
簡単には、縦横高さの3次元寸法を整数比倍にならない等、複雑な倍率にすると、避けられる事が多いようです。


今回は少し難しくなりましたが、次回は、簡単にできる残響調整です。

 自分でやれる、プチ防音工事 (第4回目 フラッターエコー編)

今回は、フラッターエコーについてのお話です。

音楽を聴いたり、演奏する部屋では、室内音響は大事な要素です。

ステレオや、楽器から出る音が其のままに近い音で自分の耳に伝わらなければなりません。

スピーカーから出る音や、楽器から出る音に変な響きが加わると、曲のイメージや自身の演奏の出来を確認する事が出来ません。

私共が目指す室内音響とは、使用目的や音楽ソースに依っては、多少の響きの手加減はするとしても、あくまでも自然に聞こえることです。
変にカラーレーションすることを極力避けています。

その中でも、フラッターエコーは大きな音響欠陥になります。

フラッターエコーとは、平行な反射面の間で音が行ったり来たりして、なかなか減衰しない現象です。
鳴き竜現象とも言います。

これが発生している部屋で手を「パンッ」と叩くと、「プルプルッ」とか「キャンッ」と言う音がします。

ライブ目の部屋では、良く起こります。

これを防止するには、吸音材を使いますが、闇雲に吸音材を配置しても、音の周波数バランスや、定位が狂ってしまいます。

フラッターエコーの周波数成分は、高域音がほとんどです。

大建工業のサウンドデザインウォール等がシビアな音響調整や意匠的にも最適でお勧めです。

又、お金を掛けず、手っ取り早く解消するには、Tシャツやタペストリー等を壁に貼り付けると、残響に大きく影響する事も少なく解消することが良く有ります。
厚手のものや、薄手のもので試してみて、好みの音を探してみてはどうでしょうか?

良い響きが得られるかも知れません。

皆さん、頑張ってやって見て下さい。




髭おやじこと、創技建の山田です。
みなさんお久しぶりです。

今回もだいぶ間が空いてしまいました。
ごめんなさい。

 自分でやれる、プチ防音工事 (第3回目 換気編)

今回は、換気扇についてのお話です。

床・壁・天井・出入口・窓と遮音工事次を進めて来ましたが、今から壁に穴を開けます。

「エーー!!何で!!」と思われる方もいらっしゃると思いますが、でもヤハリ穴を開けます。

アリも入れない程細心の注意を払って造り上げた遮音層に貫通穴を開けなければなりません。

換気をするためです。

気密性が高い程、人が居住するためには、換気をする必要があります。

換気扇を取付けますが、普通の換気扇を取付ける訳にはいきません。

防音換気扇と言われる熱交換型換気扇を取り付けます。

ある例では、外部に普通のフードを取付けた時500Hzで37dB、防音タイプのフードでは500Hzで45dBの遮音性能になります。

このタイプのほとんどの製品が、多孔質型の吸音減衰特性を示し125Hzの低音域では、25dB程度になります。

最後になりましたが、念のため申し添えますが、防音室内には燃焼系の暖房機は絶対に持ち込んではいけません。

一酸化炭素中毒など、重大な事故に繋がる事があります。

今回はこれで終わらせて頂きます。

次回(第四回目)は、フラッターエコー(鳴き龍現象)を予定しています。



 自分でやれる、プチ防音工事 (第2回目 窓 編)

前回も冒頭で書いたことですが、大事な事なのでもう一度。

防音工事の基本は、床、壁、天井、開口部(窓、出入口、換気口等)を全て同程度の性能にすることです。
どこかに弱いところが有れば、そこから漏れて、他へ廻り込んだりするので、要注意です。
反対に、何処かだけをしっかりやっても、何もなりません。

それでは、第2回目の今回は、窓についてお話致しましょう。

ほとんどの皆さんの防音対象室は、窓が有るはずです。
しかし、この窓が防音上ネックになる場合がほとんどです。
窓の遮音性能が対外部性能を決めると言っても過言ではありません。

隙間が出来やすいことと、建具の遮音性が低い為です。
サッシは大別すると、引き違い、開き、嵌め殺しに分類されます。
気密性は、引き違い⇒開き⇒嵌め殺しの順に良くなります。
又、理論上1/1000以上の隙間があると30dB以上の性能は望めません。

サッシの気密性を高める。

引き違いサッシ

引き違いサッシは、レール・鴨居溝・戸当り・召し合わせのあらゆる処に隙間ができます。
こんな所にビートやスポンジを取付けて極力隙間を少なくします。

又、サッシメーカーによっては、建具を防音障子に変えるだけで済む場合もあります。

換気框(スライドさせて換気穴を開けるもの等)からも、そのままだと音が逃げます。
換気については、他の方法を考えます。

開き窓・ドア

開窓やドアは、比較的機密性の高いものが多い。
機密ビートやスポンジがシッカリしている事と、建付が正確である必要があります。

嵌め殺し窓(FIX)

当然FIX窓は、機密性が高いのですが、1部のFIX窓には結露水排出用の穴が開けられている事があります。
防音用の場合は穴を塞ぎ、結露水処理は他の方法を考えるべきでしょう。

建具の遮音性を上げる。

建具の遮音性を上げるには、当然の事ですがガラスを厚くします。
5mmや6mmのガラスを使用します。

二重窓にする。

もっと大きな遮音性が必要な場合は、二重又は三重窓にします。
近頃は、簡単に取付けることの出来る専用の内窓も販売されています。
窓の間隔は大きいほど良いので、出窓部分は最適です。



是非挑戦してみて下さい。
次回(第三回目)は、換気を予定しています。



 自分でやれる、プチ防音工事 (第1回目 出入口編)

防音工事の基本は、床、壁、天井、開口部(窓、出入口、換気口等)を全て同程度の性能にすることです。
どこかに弱いところが有れば、そこから漏れて、他へ廻り込んだりするので、要注意です。
反対に、何処かだけをしっかりやっても、何もなりません。

それでは、第1回目の今回は、出入口についてお話致しましょう。

出入口は、ドアですか? 引き戸ですか?
ドアの方が比較的簡単かと思います。
どちらにしても、隙間を少なくすること、建具の遮音性を高めることは一緒です。
今回はドアを中心に話を進めていきます。

最初に、建具の遮音性を高めましょう。

重くて柔らかい物ほど音を遮ります。(柔らかい物は特定周波数の共振抜けを防ぐ)
ドアの表面に板等を張ります。(ゴムシートや石綿板)
少し大きなホームセンターには、遮音シートなる物が売っているかも。(幅90cm厚さ1.2mm程のシート500Hzで16dB)
両面に張った方がよいのですが、室外側は、意匠的に問題があるかも?
自信が有れば、両面張りに挑戦してみて下さい。
見苦しければ、ポスターなどを貼ったら良いかも?
出来れば、ドアの中に、グラスウールなどを入れるとBetterです。

次に、ドアと枠との気密性を高めましょう。

防音ドアの場合四周に戸当たりを付けるのが基本です。
ドアを閉めて、取っ手を持って、揺すってみて下さい。
ガタガタするならば、最終的にこの隙間を無くす様にしないといけません。
戸当たりとドアの間に、細くて柔らかめのゴムやスポンジを取り付けましょう。
隙間テープは、音が抜けるのであまり良くありません。
最後に、空錠の受け金や、蝶番の位置を調整して出来上がり。

又、2重ドアにすると、完璧です。



是非挑戦してみて下さい。
次回(第二回目)は、窓を予定しています。

powered by Quick Homepage Maker 4.91
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional